看護研究における研究計画書とは、「研究のテーマを説明し、具体的な方針と進め方をまとめたもの」であり、企業のプロジェクトにおける企画書のような存在といえるでしょう。研究計画書を作成しておくことで、作業を滞りなく進められることに加えて、トラブルが発生した場合でもどの段階まで戻って確認すればよいかがすぐに分かるというメリットがあります。
研究計画書を作成する際のポイントは「研究の目的」と「研究方法」を詳細にまとめておくことでしょう。研究の目的とは「なぜこの研究を行うのか、その意義は何か」という点です。この看護研究に関するテーマが実際に看護の現場においてどのように役立つのか、研究結果があるのとないのとではどのような違いが生まれるのかという点を明確に記載しておきましょう。これにより、研究中に計画の方向性を見失ってしまうという事態を避けることができます。
「研究方法」とは「調査および分析の方法」を指します。1つ目に決めるのは「調査の対象となる人」です。がん患者や糖尿病患者、生活習慣病の患者など、特定の医療疾患に関連して対象を設定するケースが多いでしょう。一定の年齢層だけに絞るのか、それとも年齢に関係なく無作為に調査するのかといった点も決める必要があります。続いて2つ目に決定するのが「データの収集方法」です。個別の面談を行うと1人1人から細かい情報を引き出すことができます。一方、無記名のアンケートなら標本数はかなり大きくなるでしょう。
3つ目は「データの分析方法」です。これが定まっていることで、大量のデータが送られてきたとしてもパニックになることなく看護研究を進められるでしょう。